研究紹介


現在本研究室では,以下に示す研究を行っています.このページではそれぞれの研究,およびこれまでに行われた研究について簡単に紹介します.

バイオリン演奏ロボット
4脚ロボット
2足歩行ロボット
鯨型水中ロボット
柔軟素材を用いた触覚センサ
脳波によるロボットの駆動
過去の研究


バイオリン演奏ロボット

 バイオリン演奏は,非常に巧みな指と腕の協調動作であると同時に,感性の影響が大きい作業です.このため,バイオリン演奏ロボットの開発では,2つのねらいがあります.

 1つは,ロボットがより細かい作業ができるようにすることです.微妙な力加減が必要な弓の制御が可能になれば,ロボットはもっといろんな ことができるでしょう.
 2つ目は,感性を表現できるロボットの実現です.ちょっと難しいですが,具体的には,「明るい」とか「暗い」といった言葉(感性表現語) を指定したときに,それに応じた音を奏でるようなロボットを目指しています.これにより,「もうちょっと明るい音を出して」と指示すると, その通りの音を出すようなことが可能になるでしょう.

 現在までに,図1から図4に示すような,双腕のバイオリン演奏ロボットを開発しました.左右の腕とも7関節を有する人間型です.右手先には弓が固定されています.また,左手の指は4本あり,弦を押さえることにより演奏が可能です.

 今までに,指定した音量になるようにロボットが自動的に弓速を調整するアルゴリズムを開発しています.また,単純なボーイング動作の加えて,「むすんでひらいて」の演奏に成功しています.現在は,楽譜から演奏動作を自動的に決定するアルゴリズムを開発中です.

図1 バイオリン演奏ロボット 図2 背面からの写真 図3 右腕 図4 左手・指

ビデオ
ロボットによるボーイング動作
ロボットによる「むすんでひらいて」の演奏


4脚ロボット「龍馬」

 4脚動物が移動するときのエネルギーコストは,他の動物に比べ効率が良いと言われています.そこで本研究では,走れる4脚ロボットの開発を行い, エネルギ効率の良い移動の実現を目標にしています.それに加えて,首の運動が歩行に与える影響についても明らかにしようとしています.

 本研究では,なるべく生物の形をまねることを目指していて,関節には回転関節を用いています.これまでまでに,図5〜6ような4足歩行ロボットを開発し,ウォーク,トロット,バウンドによる歩行を実現しています. 歩容を実現しています.なお,これらのロボットは「龍馬(りゅうま)」と命名しました.さらに,より馬の形に近くなるように,足を長くしたロボットも開発しています.これは重心が高くなるので不安定になりますが,それをいかにうまく歩かせるかが研究の焦点になっています.フリーの動力学エンジンであるOpen Dynamics Engine (OD)Eを用いたシミュレーションモデルも構築しています。 また,この他に,小型4脚ロボットを用いてエネルギー効率を計測する研究にもチャレンジしています.

図5 龍馬(04年度) 図6 龍馬(05年度) 図7 龍馬(06年度)

図8 龍馬(10年度) 図9 龍馬(14年度)

ビデオ
ウォーク歩容
トロット歩容
バウンド歩容
シミュレーションによるトロット画像


2足歩行ロボット

 人間の足部には,3つのアーチがあるとされています.土踏まずもそのうちの一つです.このアーチの役割として,衝撃吸収や姿勢制御があると言われてます.この研究では,人間の足部機能を有する2足歩行ロボットの開発を目指しています.

 これまでに,図10と11に示すような足部を製作して,図12のチェビシェフリンクを用いた脚部に装着して,アーチの効果を検証しています.

図10 1アーチ型 図11 2アーチ型 図12 チェビシェフリンクを用いた脚部


鯨型水中ロボット

 みなさんは,マッコウクジラの頭部に「脳油」と呼ばれる物質が詰まっていることをご存じでしょうか.マッコウクジラは,この「脳油」を固化・融解することによって浮力を調整しているという仮説があります.そして,それがマッコウクジラの強力な潜水能力の源ではないか,とも考えられています.本研究では,この仮説にヒントを得て,これを応用した浮力調整装置を有する水中ロボットの開発を行っています.

 現在までに,実際の脳油の代わりにパラフィンワックスやラードを用い,これを融解,固化することで浮力を調整することが可能であることを,実際のロボットの開発を通じて示しました.

 この方式では体積を変化させる方法がポイントとなりますが,注射器方式(図13),ゴム膜方式(図14),金属ベローズ方式(図15)等について開発を行いました.現在では,よりエネルギーを効率的に利用する方法について研究を行っています.

図13 注射器型水中ロボット 図14 ゴム膜方式 図15 金属ベローズ方式

ビデオ
浮上の様子


柔軟素材を用いた触覚センサ

 本研究では,シリコンなどの柔軟な素材を用いて,能動的に感度を変更できる触覚センサの開発を行っています.例えば,ひずみゲージが埋め込まれたシリコンの形状を変えると,同じ刺激に対して異なる出力を得ることができます.このアイディアを具現化し,一つのセンサ要素で複数の刺激を感知できる触覚センサの開発に取り組んでいます.

脳波によるロボットの駆動

 近年,Brain Machine Interface (BMI)が注目されており,ロボットの分野でも研究が盛んに行われています.本研究では,より簡便な方法で脳波を計測し,それをロボットの駆動に生かそう,という研究を開始しました.まだまだはじめたばかりですが,複数の移動ロボットの駆動に応用できないか研究中です.